特集ハスキー第十二回

ハスキー特集 第十二回「Cubase特集」


六回目はこちら、蘇えるFMシンセ
七回目はこちら、ドラムパッドを活用しよう
八回目はこちら、SuperNatural特集
九回目はこちら、komplete10特集
十回目はこちら、ピアノ特集
十一回目はこちら、EXP~追加音色特集

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質問者: DAW.COM

現代の最高のシンセマスターであるハスキーさんに
インタービューと同時に、サウンドの秘訣に迫ってみた。

シンセマスターとは、主に海外のバークリー音楽大学関連の
天才的なDAWクリエイターに与えられる称号だ。
シンセサイザーウィザードにも近い呼び名である。
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その世界に通じる実力は、高度な教育によって磨かれた正真正銘の本物だ。
ほとんどの国内アーティストと一線を画す、それは一体どこから来るのだろう?


The Force Of Gravity XCODE Lightning's "F"Rework

どちらかというとFA-06のパワーが大きい


ハスキー:ついにアノ曲を・・!

DAW.COM: さすがですね!日本でも知る人ぞ知る傑作曲です。

ハスキー:CubaseAIで創っているけど(笑)

DAW.COM: 凄いですね・・!

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ハスキー:どちらかというとFA-06のパワーが大きいんだろうね。
     これは使える!言うならば凄い88Pro(笑)
     出来ないことはWaveTableぐらいで、あとはほとんどの事が
     できる。

     でも今回はSERUMのベースを前面に出して使っている。

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DAW.COM: 流行の音色ですね!

ハスキー:うん、いまよく聴く、エレクトロ風のソリッドで
     パツンとしたベースだね。

DAW.COM: SERUMは、確かにいいシンセですね!グラフィカルで上級者でなくても
     中級者でも使えそうです。

ハスキー:うん、そうだね!でもMassiveでも同じようなことが出来ると思うので
     いろいろいじってみるといいよね。そういう使い方の方が向いてるね。

DAW.COM: あとは?

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ハスキー:あとは、またROUNDを使っている。
     これが、なかなか新しい発想の面白いシンセだね!
     そう来るか~!という久々の新鮮なソフトシンセ。
     何が優れているかというと、『次々、サブトラクティブとFMが
     演奏によって切り替わる』ところにある。
     斬新な発想のシーケンス向きのシンセでも何にでも使えるけどね!

DAW.COM: なるほど!主にシーケンスに向いているけれど、名前の通り
     オールラウンドなシンセという事ですね!

ハスキー:うん、これはN.Iシンセの中でも結構手軽なシンセに入るし
     一生懸命使いこなしていくといい結果になると思うね!!

DAW.COM: そうですね!

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ハスキー:あと、RolandのAxialサイトから提供されている、
     音素材のキックだけをバラして使ってみた
     FA-06のドラムキットもいい音しているけれど、
     変えてみてもいいよね

DAW.COM: たしかにそうですね!バリエーションという意味で。

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ハスキー:うんうん、あと、その限定された音素材で
     ためしに、ドラムパッドで叩いてみた曲があるから参考にするといいね(笑)

     いまあるのと追加で市販されているもの、これから提供される音素材をつかえば
     初心者でもFA-06で、遊べるね!!

DAW.COM: そうですね!それはかなり初心者にとっては嬉しいですね!

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国内向けに市販されているEDM HOOKS AND DROPS FOR FA

ハスキー:うん、あとは、音素材の入ったドラムパッドを
     リズムパターンのように使ってもいいよね。
     BPMは限定されるけど。場合によってはBPMをDAW上で加工しても面白いね

DAW.COM: そうですね。リズムはFA-06に任せろという感じですね。

ハスキー:うんうん、音色もだね!内臓のSDカードを使うだけでも
     一気に世界が広がるね・・!これはいいね!!

DAW.COM: そうですね!面白いですね!

ハスキー:うん、まあFA-06を買うまでもないという人たちは
     SC-88ProのリメイクのSoundCanvasでもテクニックさえあれば
     凄い曲が作れるよね。

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DAW.COM: 最終的な、シンセの出音はテクニックしだい?

ハスキー:そうなるね(笑)

Cubaseの真実

ユーザーと共に進歩、広められた来た稀有なDAW



~オールドCubase

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ドイツで生まれた、単なるシーケンサーとしてのCubase。
MIDIが中心。最初はATARI用として作られた。
一応Audio機能は持っていたがハードディスクレコーダーとして
使われる事はあまりなかった。

CubaseVST~3まで

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バーチャルスタジオテクノロジーの元祖。
最初は、Macintosh 用のシーケンサーであり、
無制限のMIDIトラック、24トラックのオーディオを扱うことができた。

そのWIndows版であるCubase VST for Windowsには
今や定番となったASIO規格が世界で初めて開発、
そこに盛り込みました。

それにより、各A I/F、プラグインメーカー等は
その規格を標準としてハードウェアを開発していくことになる。

しかし、この当時はネイティブでの
ハードトラックレコーディングDAWというものは認知されず。

むしろ、DTMのシーケンサーとしてCubaseであり
Audio機能は完全におまけ機能としての認知でした。


しかしWaveやTc Works、Prosoniq、SPLなどサードパーティの
各社は徐々に認知のないプラグインエフェクトを
認知させていきました。
今日ある、有名なWavesのプラグインの半数以上は
この時点で開発されていた。

CubaseVST4

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4になっても、まだまだ
プラグインエフェクトのみだったCubaseの世界に

ASIO2.0によるDAW上にプラグインできるソフト音源の
世界初の登場。

その代表となるNEON。

その後、N.I. Pro5などサードパーティからも
続々ソフトシンセがリリースされた。

この当時でも、Cubaseはまだまだシーケンサーとしての
認知でした。おまけとしてのVSTiはハードシンセに比べ
使えないチープな代物としての認識だった。

しかし、有名ユーザーコミュニティである
Cubase Magicなどはじめとするユーザー達の間で
プラグインなど情報交換が盛り上がりを見せた。
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CubaseVST5

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この頃からVSTプラグインやVSTiが一新&充実し、
一般に、バーチャルスタジオ&ハードディスクレコーダーとして
使用する人々がほんの少数現れました。

ハスキーをはじめt-kimura、渡部高士(エンジニア面)が
音質が悪いと言われた中そのよさを広めてきた

また、ハスキーがおまけ同然のソフトシンセを使い
新しい音楽制作「DAWでの内部完結手法」を
ここで発明することになります。使われたのはWindowsです。

有名なApogeeのディザUV22なども付属している
いわゆるハイレゾから綺麗にCD音質にダウンレードする技術です。

さらに、録音する時に32bitで処理、録音することも出来ました、

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また、CubaseVST5がver5.1になったときに
ソフトシンセJX16、CS-40などが追加、
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さらに有名なVocoderやAutopole、BitCrusherをはじめとする
面白いプラグインエフェクトがたくさん追加されました。

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CubaseSX

しかし、CubaseVSTは音質はLogicに劣り、
非常に操作性が個性的なソフトという
認識を多くの人々は持ち続けていました。

そこで、CubaseVSTは、MA用の高級DAWとして開発した
NuendoのオーディオエンジンをCubaseに盛り込み
大きなグラフィカルインターフェイスの変遷

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CubaseSXとして進化させる事にしたのです。
これは大きな成功を収め、

ハスキーをはじめt-kimura、渡部高士(エンジニア面)が
操作性がよくなったが音質が悪いと言われた中
そのよさを広めてきた

主に最大派のとある無料音楽雑誌によるもの
犬山博和による、アマチュア視点からの
四畳半スタジオの研究も(!)

音楽ライター藤本健もライターとして
Cubase、その他電子楽器機器を着実に広めてきた。

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この当時、ハスキーによるSpaceMasterSXという
有名Cubaseコミュニティサイトも作られた。

この時追加された、VSTiが有名なWaldorf A1

CubaseSX2

この時、SteinbergはPinnacle Systems (ピナクル社)の傘下に。
VST2.3をもったCubaseSX2。

CubaseSXではVST5よりも弱くなった、MIDI面が
VST5相当にパワーアップ

さらにLogicにあった、フリーズ機能も追加され
よりいっそう便利になった。

この時、有名なイコライザーQやテープコンプMagnetoも追加された

また、CubaseSX2.2からMonologue、Embracerなどが追加されました。
他にフィルタープラグインTonicなど

CubaseSX3

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3で完成された傑作DAW「CubaseSX」
グラニューラシンセシス(バリオーディオ)にあたる
オーディオワープが追加された。

その他にプレイオーダートラックなど。

追加されたプラグインはリバーブのRoomWorks

Cubase4

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YAMAHAの傘下に、SXが取れ、単なるCubaseという名称になった。
VST3規格に。

Prologue、Halion Oneなど様々なVSTiが追加された。
Spector、Mysticなども。

Cubase5~7

大きな変化はなく数々のマイナーアップデート

Cubase5からは、VariAudioによるピッチ補正機能、
VST Expressionなど追加。

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Cubase6からは、特にハスキーが重用して使った、HyperSonicが
HalionSonicSEと廉価版になり、最初から付属するようなった。
それにより、VST Expression2も。

RetrologueやPadShopなども。

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7.5ではmagneto2やかつてのN.I. SpaceMasterリバーブ風の
Reveranceなどが付属。

HalionSonicSE2やGroove Agent2も。

完全にハスキーの影響化。

Cubase8

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ついに、使用ユーザーナンバー1の大衆のDAWに。
初心者向けのサポート機能が充実、マイナーアップデートを続けている。

総評


ハスキー:ついに大衆のDAWになってしまった
DAW.COM: ハスキーさん的には気に入らない?(笑)

ハスキー:まあそうだね(笑)マニアックだから使われていたという
     頑固な側面が(笑)

DAW.COM: 頑固(笑)

ハスキー:そもそも、まともに使いこなせてきたのは
     私とt-kimuraだけじゃないか(笑)

DAW.COM:そうですね。そういう事になりますね。


Cubaseと共に普及した有名ソフトシンセ


Native Istruments Pro5

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最初期からある伝説のソフトシンセ。

Waldorf PPG2.v

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最初期からある伝説のソフトシンセ。

Steinberg Halion

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世界初の大容量VSTオーディオシンセ(詰め替え式)

Steinberg HyperSonic(現HalionSonic)

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世界初のVSTオーディオシンセ。当初の音色はWizooによるもの。

Native Istruments FM7

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N.I.のソフトシンセもSteinbergのソフトシンセと共に
広められた。
このシンセはかなり特別でありハスキーが重用した事で
"細い"”使い物にならない”と言われた
ソフトシンセの評価を一気に押し上げたことで有名。

なにしろ、当時、現役のイロメロックス(現ドワンゴ)の
着信メロディクリエイターが使っていたのだから
FM音源のソフトシンセは、ハードにも匹敵すると
皆が思い始めたのだ。

Steinberg A1 (注:Waldorf)

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WaldrofのソフトシンセもCubaseと一緒に広められた。

新しいDAW


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PreSonus Studio One2

ハスキー:実質は、本当の意味での「Cubase2」にあたるよ
DAW.COM: そうですね。

ハスキー:うん。元々のCubaseの開発者さんが新しく別に
     作ったDAWで、むしろCubaseSX3~以降にそのまま進化すると
     こうなる!というDAW
     どちらかというとまさにプロ向け。
DAW.COM: あとから自分でプラグインを組み込んでください
     という仕様ですね(笑)

ハスキー:まったくその通りだね(笑)ただ、標準でも
     相当な容量の音色が提供されているよね。
     そうすると付属のPresenceが、NEXUSみたいに強力になる。
DAW.COM:それは知らなかったですね・・!そう聞くと
     まさに期待のDAWです!

ハスキー:そうだね!

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Internet Abilty

ハスキー:これも使ってみるといいんじゃないかな。
DAW.COM: 国産最高峰のDAWです。

ハスキー:新しい気持ちで、海外標準になったDAWとして
     使うといいと思うよ。
     先入観以上に、MIDIプログミング機能が充実しているよね。
     また、やっぱりSonnax Oxfordシリーズのエフェクターは
     相当に強力だね。
DAW.COM: そうですね!いろいろ試してみる事が大事ですね!

ハスキー:うん。付属ソフトシンセのLinPlugはALBINOで有名で
     他のソフトシンセもきちんと使えば使えるものだね。
     あと、N.Iも入っている。

新しいソフトシンセ


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TubeOhm super BRUNO-III

ハスキー:単にルックスが面白いのでセレクト

DAW.COM:そうですね!かつてのRolandシンセというよりは
     ずばりJP-8000ですね。

ハスキー:うんうん、求められているのはこういうものなのだろう
     という海外からのアンサーだと思う。
     V-SYNTH×JP-8080的なものかな。
     直感的にノブで操作できると海外の人々に人気になりやすいのかもね。

消費され飽きられたコンテンツの話



ハスキー:物事はどんなに面白いコンテンツでもいつか終わりが来るよね
     ラノベとか特に本当に回転が速く・・(笑)
     広められれば広まるほど、消費され飽きられるのばかりは
     仕方が無いんだよね。

DAW.COM:そうですね陳腐化していますね。ドラッカーどおりです。
     でも世の中にはドラッカーも分からずプロダクトに口をついつい
     はさんでしまうしまう人がいますね。


ハスキー:うんうん、良かれとやっているんだろうけど・・

DAW.COM:いや、でももうRolandシンセは全面的にハスキーさんに
     意見を聞くべきです!V-SynthやJP-8080の後継機は絶対に
     必須ですよ!

ハスキー:そうだね(笑) FA-06のバリーエション機種が一番先に求められているという気もするけどね

DAW.COM:いや!ぜったいにおかしいですよ!頼むところを絶対に
     間違えています!もはや精神的暴行ですよ!
     ”ゆとり”ってそういうものです!
     明らかに一番の人に一番のシンセを、その他は我慢するが
     当然ですし、そうあるべきです。

ハスキー:うんうん、やっぱり”ゆとり”はナチズムだと思うから
     我慢しないといけないよね!富野監督的に鉄拳制裁されたほうが・・

DAW.COM:そうです!その方が大人になりますよ!

ハスキー:なんでガンダムに僕を乗せないんだ!?っていう(笑)

DAW.COM:ハスキーさんのほうが強力な超天才だからですよ。
     また、けっきょく赤字を出した人はよほどのことが無ければ
     再起用してはいけないと思います。

     ひどい勘違いです。本当に、特に過去に他社で活躍した人は
     これ以上活躍してはいけませんね。
     代変わりは日本経済にとって必須事項です。

ハスキー:そうだね確実に6~10年以上、変化をこの国は阻んでいるよね
     それが妖怪ウォッチのジバニャンぐらい、ざっくりいかないと
     いけないよね

DAW.COM:そうですね(笑)自由な経済活動を”気持ち”で阻んではいけない事は
     当然の事です。その良かれとやった勘違いのナチズムが
     国一つを滅ぼしかねませんからね。特に今は。本当に。

ハスキー:うんうん。つまり結局過去の物づくり神話をまだ
     追いかけてしまっているんだろうね。
     また社員がユーザーのほうを向いていないと思える
     ライトユーザーの声は反映されても
     アーティスト以外のヘビーユーザーの声がまったく反映されない。

DAW.COM:MOTIFの神話ですね。過去に売れたから・・という
     それこそ陳腐化ですね。もうモデルとして限界ギリギリに来ています。

ハスキー:そうかも(笑)


小説の話

DAW.COM:なんだか気になる展開ですね。とても気になります。

ハスキー:そうだね(笑)

DAW.COM:この小説では死んだりしなそうですね(笑)

ハスキー:そうだね、どれもこれも死んで終わりって(笑)

DAW.COM:それではありがとうございました!


(C) このページの画像、文章はすべてEOS (イーオーエス)が著作権を保有します。スクリーンショットもEOS (イーオーエス)が制作しています。

  • 最終更新:2015-01-19 20:04:31

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