インサート系エフェクター入門

インサート系エフェクター入門


 コンプレッサー、ディストーションなどインサートで積極的に音を変えるエフェクターについて。インサート系エフェクターはDAWのミキサーにインサートして使います。イコライザーのように、ミキサーの各チャンネルにあらかじめ付いているエフェクターもありますが、別に他の種類のイコライザーなどをインサートしてもかまいません。

基本的な使い方

イコライザー


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イコライザーはピーキング+シェルビング
or フィルターの組み合わせで使う
 イコライザーは音の、明るさを変化させます。イコライザーには通常のピーキングタイプだけでなく、シェルビングやフィルターも含まれます。

最近の通常のEQは、シェルビング+ピーキング+ピーキング+シェルビングと4バンドぐらいついているものが多いです。

ピーキングタイプのイコライザーは自由に周波数をする事が出来るようになっていることが多いですので、設定したい周波数に設定する必要があります。

また、シェルビングタイプは、切り替える事で、フィルターとしても使えるようになっている事が多いです。フィルターのほうはざっくりと多めに音が切れる感じです。そのため極端に使うと低域や高域が何も無くなりますので要注意。

イコライザーのバンド数が多くなるとより細かいエフェクトが行えますが、グラフィックイコライザーというピーキングをたくさん集めたタイプはあまり使いません。

eq_cut.gif
基本はカット
 DAWのミキサーのイコライザーの本来の目的は音の補正ですので、カットを中心に使っていきます。積極的な音作りは音源側で行った方が良さそうです。

ピーキングであるポイントをざっくりとカットしたり、フィルターでざっくりと低域をカットしたり、フィルターで切れ捨てしまうときはシェルビングでなだらかにカットします。

強調したいときはブースト
 高音のあるポイントを強調したいときなどは、ピーキングでブーストしたりします。また大まかに広域を強調したいときはシェルビングで広範囲をブーストします。

イコライザーは万能ではない
 便利なイコライザーですが、補正してもどうにもならない場合の方が多いですので、その時は素直に音源側の音作りや吟味、録音からやり直すべきであります。 原音がやはり大事です。

コンプレッサー


コンプレッサーは音量を圧縮する
 コンプレッサーは音量を圧縮し音圧をあげるのに使います。通常、とくに生楽器はダイナミクスが大きいので録音した後、一定の音量で聴けるようにしてあげます。

comp_ratio.gif

パラメーター
・スレッショルド
どの音量から圧縮し始めるのか決めます。

・レシオ
どのくらい音量を圧縮するか決めます。

・アタック
コンプレッサーのかかり具合を遅らせる

・リリース
コンプレッサーのかかり具合を延長する

アタックを強調することも出来る
圧縮とは別に、音のアタックを強調するのにも使えます。アコースティックギターなど。

細かいフェーダー操作をコンプレッサーで代用する事も出来る
音量は、フェーダーでも操作できるため、それをコンプレッサーで代用する事も出来ます。

通常はシングルのコンプレッサーを使い、より凝った事をしたいときにマルチバンドコンプレッサーを使います。マルチバンドコンプレッサーは帯域を分ける事で、それぞれの帯域に処理を行えます。 シングルのコンプレッサーを二段がけにするという技もあります。

オーディオシンセサイザーやシンセサイザーは元々ダイナミクスが小さくなっていますので、あまりコンプレッサーは必要ないかもしれません。

リミッター


 リミッターは音量をある一定レベルにとどめます。音量が、あるレベルを絶対に超えないようにするときに使います。

ディエッサー

 ディエッサーは声の「サシスセソ」をマイルドにします。録音した歌に耳障りな歯擦音が入っているときがあるので、それを軽減するのに使います。

ディストーション


 ディストーションは音を歪ませます。エレクトリックギターに使います。現在では「かけ録り」に使う事の方が多そうです。一度クリーンな音で録音したエレクトリックギターやオーディオシンセのギター音色を歪ませるのにも使います。 DSPアンプはより、自然なアンプの音が必要なときに使います。

フィルター


 フィルターは音の明るさを変化させたり、倍音を加えるに使用します。積極的な音作りの多くは音源側で行いますが、フィルターが足りなかった場合などに、DAWのミキサー側でもフィルターを使い、積極的に音を変える事に使います。 シンセサイザーのフィルターと同じですが、テンポにあわせてフィルターを開閉してくれるタイプもあります。

ロータリースピーカー


 ロータリースピーカーは、本物のロータリースピーカーを再現します。ハモンドオルガンの音に使います

ビットクラッシャー


 ビットクラッシャーは音を昔の機材風にします。8bit、11kHzなどの低解像度の録音機材独特の音を作ります。本物のオーケストラヒットやシンセドラムの音に効果的です。

ケロケロボイスジェネレーター


 最近流行のダフトパンクで有名なケロケロボイスを作るエフェクターです。ボーカルトラックに歌を録音し、調を指定してあげます。 オートチューンで作る場合は、ある一つのノブを最大値にするだけです。

ボコーダー


 ボコーダーは音声をSFロボット風にするエフェクターです。歌や声に加えて、鍵盤からの音程の信号、合成するためのシンセサイザーが必要です(多くの場合エフェクターに内蔵しています)

DAWで使う場合には、MIIDIパート、オーディオパートを一つずつ作り、鍵盤からの音程の信号をエフェクターにルーティングして使う必要があります。(少し難しいですね)

ベースマキシマイザー

 ベースマキシマイザーは低音を強調します。ベース音やシンセドラムの低音を強調するのに使います。

リングモジュレーター

 リングもジュレーターは音を金属的にします。シンセサイザーの機能と同じです。金属的な音が必要なときに使います。

ワウワウ


 ワウワウは音の明るさを変化させます。エレクトリックギターやエレクトリックピアノに使います。

ノイズリダクション


ノイズリダクションは音からノイズを取り除きます。ノイズが乗ってしまっても「どうしてもその音源がいい」というときに使います。

ゲート


 音が鳴っていないときに低レベルのノイズをカットします。ノイズを低く綺麗に録音しておけばあまり使う機会はなさそうです。

トレモロ

 トレモロは音の音量を変化させます、あまり使う機会もなさそうです。

エキスパンダー


 コンプレッサーとは逆に音量を伸張します。あまり使う機会はなさそうです。

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  • 最終更新:2012-02-10 17:12:02

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