空間系エフェクター入門
空間系エフェクター入門
リバーブ、コーラス、ディレイの使い方入門。いわゆる空間系と呼ばれるエフェクターについて。空間系のエフェクターは文字通り、残響をつけたり音を広げたり、こだまをつけます。
基本的な使い方
リバーブとコーラスはセンドエフェクトでセットで使う
リバーブとコーラスは基本としてDAWのミキサーのセンド/リターンでセットにして使います。 インサートでも使えるのですが、あまり使う機会はないかもしれません。 センドエフェクトでは、エフェクト側のWETを100%にして、ミキサーからのセンドを調整して使用します。
各パートに残響をつける
ミキサーのセンドからリバーブに音を送ると残響がついた状態になります。通常はリバーブの設定は”ホール”を選択します。
リバーブをかければかけるほど、音は空間の奥の方(遠いところ)で鳴っている様に聴こえるようなります。多くの場合ベースやバスドラムなどの低音楽器にはあまりかけません。
残響は、音楽を美しく聴かせるための根幹ですので、とりあえずコンボリューションリバーブや凝ったアルゴリズムの高級(?)リバーブをかけるとそれだけでも、音楽が良く聴こえるようになります。
各パートの音を広げる。
ミキサーのセンドからコーラスに音を送ると音に厚みや広がりがついた状態になります。通常はコーラスの設定は初期のままで大丈夫です。
多くの場合、シンセサイザーのパッド音色やリード音色、エレクトリックギター、エレクトリックピアノ等にかけます。
こちらも多くの場合ベースやバスドラムなどの低音楽器にはあまりかけません。ボーカル、生のストリングスにもあまりかけません。
ディレイをミキサーのセンド/リターンで使う方法
またミキサーのセンド/リターンにディレイを指すという使い方もあります(Rolandのマルチ音源はそうなっています)
インサートで一つずつかけるよりも多くのパートにディレイをかける事が出来ました。最近は、CPUパワーも高いので必要が無いかもしれませんが参考までに。
ディレイはインサート
ディレイはミキサーのインサートに指して使います。かかり具合をDRY/WETで調整します。(DRYはかかっていません、WETは全開でかかっています)
こだまがつくので多くの場合、シンセサイザーのパッド音色やリード音色、エレクトリックギター等にかけます。多くの場合ベースやバスドラムなどの低音楽器にはあまりかけません。 ボーカルに少しかけると効果的です。
こだまがつく感覚をディレイタイムで指定します。
その他
ステレオ イメージャー
ステレオ イメージャーは音の広がり調整することが出来ます。中には立体音響の効果が出せるエフェクターもあります。 パッド音色などに効果的です。
オートパン
オートパンは音を左右に振ります。(パンニングというものです) LFOで左右の音の振り方のスピードを決めれます。パッド音色などに効果的です。
フェイザー
フェイザーは位相を変える事で、音を広げます。コーラスとは違うキャクラクターが必要なときに使います。
より詳しい解説
リバーヴ
リバーヴ(デジタルリバーヴ)
通常のリバーブです。こまめにパラメーターの設定をする事でいろいろなタイプの残響を作ることが出来ます。そのプリセットの設定にもいろいろあります。非現実的な残響の設定も可能です。
リバーブタイプ
・ホール系
ラージホール、ミドルホール、スモールホールなどホールを再現したタイプで、長く広い残響です。通常よく使われます。
・ルーム系
ラージルーム、ミドルルーム、スモールルームなど部屋を再現したタイプで、普通に普通の残響です。よく使われます。
・プレート
鉄板を使用した残響を再現します。プレートリバーブの残響は、ボーカルと相性が良いため、ボーカルに良く使われます。
・ゲートリバーブ
フィルコリンズや80'sの音楽で有名な残響が突然切れるゲートを使用したリバーブ。最近はあまり使われませんが、使うケースはまだまだあるので重要です。
・スプリングリバーブ
スプリングを利用した残響を再現します。
・アーリーリフレクション
リバーブの中の初期反射のみを取り出した残響。
パラメーター
・リバーブタイム
残響の長さ。普通のリバーブは2,3秒、1秒以下では金属的な音、5秒以上でトンネルの中のような残響、10秒以上で音源自体のサスティンが伸びたような音に。
・プリディレイ
アーリーリフレクションとリバーブが発生する時間を遅らせるパラメーター。
・サイズ
部屋のサイズ。残響の広がりや大きさをコントロールできる。
・ディフュージョン
リバーブの左右の広がり感をコントロールする。
・ハイパスフィルター
リバーブの低域をカットするフィルター。
・ローパスフィルター
リバーブの広域をカットするフィルター。
・ミックス(DRY/WET)
リバーブが原音にどれくらいかかるか?をコントロールします。最小値(DRY)だとまったくかからず、最大値(WET)で全開でかかります。リバーブをセンド/リターンで使用するときには、ここを絶対にWET100%に設定して使いましょう。
コンボリューションリバーヴ
実際の空間のインパルスレスポンスを元に残響をレンダリングします。残響の種類や質はインパルスしだいで、設定が出来ませんが、実際の残響を限りなく近く再現します。
実際のホールや部屋だけでなく、有名デジタルリバーブ機器の残響もインパルスがあれば再現できます。複雑な計算を行っているため、CPUパワーがかなり必要ですが、最近はどんどん使っていけるでしょう♪
やはり弦楽器、管楽器など本物のホールで録音するような楽器との相性が良いようです。
ディレイ
ディレイ(デジタルディレイ)
ディレイは音にこだまをつけます。
最近のプラグインエフェクトはディレイタイムもテンポにあわせて自動で計算してくれますから、音符の長さを指定するだけで設定できるので便利です。さらに緻密なディレイタイムの使い方をする場合は、ディレイタイムを自分で計算して設定するべきでしょうか。
ディレイタイプ
・モノディレイ
ディレイが一本のタイプです。分かりやすく使いやすいです。
・ステレオディレイ
ディレイがステレオのL、R(左、右)の二本あるタイプです。左右のタイミングを上手にずらすと、ピンポンディレイを作ることが出来ます。
・L,C,Rディレイ
ディレイがステレオのL、C、R(左、真ん中、右)の三本あるタイプです。
・モジュレーションディレイ
ディレイにLFOでモジュレーションをかけることでより深みを増したディレイに。LFOを強くすると効果音的にも使えます。
・テープディレイ
テープを利用したディレイを再現します。
パラメーター
・ディレイタイム
こだまがどのくらい遅れてなるか?を設定するパラメーター。
・フィードバック
フイードバックを上げると、こだまの回数が増えます。
・ミックス(DRY/WET)
ディレイが原音にどれくらいかかるか?をコントロールします。最小値(DRY)だとまったくかからず、最大値(WET)で全開でかかります。
コーラス
コーラス(デジタルコーラス)
コーラスはLFOを使って音を広げます。
・コーラス系
コーラスは、音に厚みや広がりをマイルドに加えます。
・フランジャー系
フランジャーは、コーラスのうねりが強くなったエフェクターでジェットサウンドが特徴です。多くの場合、効果音に使います。
パラメーター
・レート
コーラスのうねりをLFOで設定します。うねりの速度によってコーラスのキャラクターが変わってきます。
・ディレイ
コーラス音の遅れを設定します。長く取ると効果が深く感じます。
・ミックス(DRY/WET)
コーラスが原音にどれくらいかかるか?をコントロールします。最小値(DRY)だとまったくかからず、最大値(WET)で全開でかかります。コーラスをセンド/リターンで使用するときには、ここを絶対にWET100%に設定して使いましょう。
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- 最終更新:2012-01-16 22:43:11